自動車は私たちが日常的に利用している便利な乗り物ですが、高速で走行する金属でできた機械であることから、衝突したり接触したりすることで他人を負傷させたり、ひどい場合には死に至らしめたりしてしまう恐れがあることを忘れてはなりません。

もちろん、どれだけ注意を払っていたとしても、相手側が大きく注意を欠いていた場合などには、交通事故の発生を完全に避けることは出来ないことも確かです。さらに進んで、相手側が自ら進んで交通事故の被害者になろうとする場合があるので、そういった状況に巻き込まれてしまったと思われる場合には特別な注意が必要です。

普通の生活を送っている人の中には、自分から進んで交通事故の被害に遭おうなどと考える人間がいるとは思っていない人が少なくないかも知れません。しかし、現実にそういった人間は昔から存在しており、一般的に当たり屋と呼ばれています。ドラマや漫画などの創作物の中に登場することもあるので、その名前を耳にしたことがあるという人もいるでしょう。

その代表的な手口としては、カーブで曲がろうとしている時や駐車しようとしている時など、主にスピードを落としている時に自動車に近づいて来て、体のどこかを車体にわざとぶつけるといったものがあります。そうすると当然運転している人が外へ出て来て大丈夫ですかと尋ねて来るので、体の接触した部位が痛いとか、持っていたものが壊れてしまったなどと言って、そういった損害をどうしてくれるのかと詰め寄ります。その場合に運転していた人が警察を呼ぼうとするとそれを嫌がり、脅しをかけるような口調で賠償金を支払うように要求してくることが多いです。

警察を呼ばれてしまうと自分が当たり屋であるということがばれてしまう可能性がありますし、当たり屋についての知識を持った保険会社を通すとお金が手に入らない場合が多いので、その場で運転者が悪いということを無理にでも認めさせて直接お金を支払わせようとするのです。その時に支払えばそれでもう終わりとなるようならまだ良いと言えるのですが、その後もまた別の部位が痛くなった、後遺症が出てきた、仕事を休んだので収入が減ったといったように様々な理由をつけて、さらにお金を要求してくる場合も考えられます。

そういったトラブルに合ってしまった場合に自分を守る方法としては、自動車にあらかじめドライブレコーダーを取り付けておいて、問題の場面を映像として記録することが効果的です。接触した相手と話をする時に脅迫的な発言をされる可能性は大きいですし、会話の中で当たり屋だという証拠となる言質が取れる場合も考えられるので、スマートフォンで会話の内容を録音しておくのも良いでしょう。

近年ではドライブレコーダーが普及してきているため、自動車を運転している人だけではなく、自転車に乗っている人やスマートフォンを見ながら歩いている人といったように対象の幅を広げているので、そういった場合にも録音という方法は有効な対策となり得ます。もちろん、相手がどのように言おうともすぐに警察に連絡したり、保険会社に相談したりすることも肝心です。

また、当たり屋の手口にはまってその場でお金を支払ってしまい、その後もまた新たにお金を要求されるような状況に陥ってしまった場合には、交通事故のことを他人に知られたくないなどの理由から、自分一人で抱え込まないようにすることが肝心です。その場合には保険会社だけではなく、当たり屋に関する知識を有していたり、彼らへの対応に慣れている弁護士に相談するという方法も考えられます。弁護士なら法律の専門家として適切に対応してくれることが期待出来るので、困った時の大きな力になってくれるはずです。