前方不注意の過失割合は、交通事故の場合だと致命的になるケースがほとんどです。場合によって、刑事事件に発展する可能性もあるためその点は覚悟しておく必要があります。損害賠償という点で考えるのならば、前方不注意によって与えた損失をきちんと賠償しなくてはいけません。

この時に大切になるのが、過失割合というルールです。過失割合というのは、どちらの過失がより重いのかを把握するために使う指標のことを指します。そもそも、交通事故というのはその名前の通り事件ではなく事故によって処理される案件です。事故で処理される案件は、それ以上警察が介入することがありませんので、どちらに責任があるのかを当人同士で決めなくてはならないというルールが存在します。

この時に最重要視されるのが過失割合という指標です。これは、被害者と加害者がどの程度の割合で悪いのかを把握するために必要になります。従来までは、過失割合が10対0になるようなことはほとんどありませんでした。事故があった場合には、お互いが何らかの不注意が存在していたと考えられてしまうからです。これは、前方不注意であっても同じです。

そもそも、加害者側が前方不注意であったと証明するためにはどうすれば良いのでしょうか。これは、実際に不注意だったという証拠を提出しなくてはいけません。実は、こうした証拠も事故の当事者がきちんと提出しなくてはならないという難点が存在します。しかし、現実的に考えると事故当時の状況を証明するための証拠など存在しません。そのため、従来までは前夫不注意のような重大な過失が存在していたとしても、加害者側にすべての罪を認めさせることができないというジレンマがあったのです。

このような状況が変わったのは、通信技術と映像技術が発達した近年になってからです。なぜこうした問題を解決できるようになったのかというと、ドライブレコーダーという非常に便利なものが開発されたからに他なりません。交通事故の前方不注意の映像をドライブレコーダーによって文字通り撮影することができるようになりました。これによって、客観的な証拠として過失を証明できるようになったわけです。

それでは、具体的に証明できたとして金額はどの程度変わるのでしょうか。これは、ケガの程度にもよりますが数倍以上は変わります。

元々、交通事故によって被害者側が大きなケガをしていた場合には、ケガのそのままの状況というよりも、それによって生じた精神的な損失や日常的な損失が考慮されます。前方不注意で過失が相手に大きく存在するときには、通常の損害賠償に加えてこう言った逸失利益などの部分が非常に大きく考慮されます。ですから、通常よりも遥かに大きな金額を貰うことも可能です。

さらに、交通事故には後遺障害という考え方も存在します。後遺障害とは、交通事故で通常の日常生活に戻ることができない程度に身体的なダメージが遺ってしまう症状のことを指します。一般的に考えられている後遺症とは別であることに注意が必要です。後遺障害を証明するためには、その症状が固定されて二度と戻らなくなってしまうという条件が必要です。これが存在していた場合には、後遺障害を認定してもらうための申請を提出して、さらに大きな損害賠償を請求することができるようになります。

前方不注意でドライブレコーダーなどでその証拠を提出できれば、少なくとも今後の生活に困ることはない程度の金額は貰うことが可能です。このように、過失割合の証明やそのための準備はとても大切です。被害者だからと言って必ず有利に働くわけではないので、有利に話を進めることができるようにするためにもこれらの点は理解しておくことが大切です。